クラスの雰囲気とZoukについて

クラスの雰囲気とZoukについて

13年ぐらい前のダンス専門雑誌クロワゼの記事から

 

ズークは、カリブの音楽とブラジルのダンスを融合させた「踊るヨガ」とも呼ばれるペアダンス

 

海の波や潮風を思わせる、最高に気持ちのいいダンスです

 

「自然に歩く」ことから

 

 土曜日の夕方、壁に楽しげな海辺の絵が描かれたスタジオは、和やかな熱気に包まれています。レッスンは、ゆったりと全身をほぐしながら、音楽に乗って「歩く」ことから始まりました。ズンズンズン、とお腹に響くベースのリズム、叙情的なメロディに合わせて柔らかくステップを踏み、首や肩を回し、腕をのびのびとしなわせて踊るあおちゃん先生の動きは、まるで海辺で風に吹かれているよう。一緒にステップを踏む生徒たちの表情も、ひとりでにほころんでいます。

 

『自然に歩く』って、簡単なようでむずかしいんですよ。裸足になるとよくわかりますが、ふらついたり、バランスを崩したり、足の指がどれか、不自然に浮いていたりする。でも、周りのみんなが音楽を感じながら気持ちよく歩けていれば、その波の中で、だんだん体が動くようになってきます」と先生。先生のことは、みんなが「あおちゃん」と呼んでいます。

 

 ステップの後は、ペアでの練習。リーダー(リードする人)とフォロアー(リードされる人)に分かれ、スタジオの真ん中を端から端まで歩き、次々にパートナーを変えていきます。単純に見えますが、自然にペアで動くのはさらに難しいこと。特に、リードする生徒はかなり緊張する人が多いようです。

 

「リードする方は目の不自由な人を、安全に目的地まで連れて行ってあげるような気持ちで、またパートナーを安心させるようなリードをして下さい。」

 

 互いに向きを変えたり、一回転しながら移動したり……動きの中で、リーダーとフォロアーの間に細やかなコミュニケーションが成り立っていることがわかります。一連の動きの後、リーダー役とフォロアー役を交代して練習。

 

「お互い、どんなホールドのしかたが気持ちいいか確認して。最も気持ちのよかった方法を取り入れてください」とあおちゃん。むずかしい技をたくさん覚えるより、お互いが気持ちよく踊れるよう、相手を思いやれるようになることが大切だと、あおちゃんは考えています。「生徒たちには『うまい人』じゃなくて、『一緒に踊りたくなるような人』になってほしいですね」。

 

「踊るヨガ」ブレイクの予感!

 

ズークはブラジリアン・サルサなどとも呼ばれ、カリブのゆったりした音楽に乗って踊るブラジル産のペアダンス。柔らかく、自然な動きが特徴で、「踊るヨガ」とも呼ばれ、ヨーロッパを中心に世界で流行のきざしを見せています。Tropical NYでは、サルサ、サンバなど様ざまなラテンダンスを伝えていますが、ズークの自然な動きにはあらゆるダンスに役立つ要素が含まれているため、ダンス初心者には、特にすすめているそうです。

 

 首をそっと回して、顔にかかった髪を振り払うような女性らしいしぐさが、そのまま全身の回転につながったり、互いに絡ませた腕が、きれいな曲線を描きながら自然にほどけたり……。じょうずなペアの動きは、うっとりするほど優雅でセクシー。しかし、あおちゃんはどんなに複雑なバリエーションを踊るときも、大切なのは「音楽を良く聴き、リズムをはずさない」「体をまっすぐに保ち、綺麗な姿勢で」「相手のレベルを考えて丁寧にリードとフォローをする」ことの三つだといいます。

 

「基本さえしっかりしていれば、世界中の誰とでも踊れますよ」。

 

音楽の楽しさを分かち合う

 

 あおちゃんがダンスと出会ったのは、会社員時代に通っていたブラジル語教室主宰のサンバ・パーティ。サッカー好きで、いつかブラジルを旅したいと思っていたあおちゃんですが、ダンスに関わろうとは夢にも思っていなかったそう。パーティに来ていたサンバチームを、勇気を出して見学に行き、そこで唯一の男性ダンサーとして踊るようになります。

 

 その後、ラテン・ダンスのスクールを開き、日本のラテン・ブームのきっかけをつくったあおちゃんは、97年渡米し、ニューヨークでダンスを教え始めます。7年ぶりに帰国し、東京にスタジオをオープンしたのが03年秋。あおちゃんが何より大切にしているのは「良い雰囲気づくり」です。

 

「オープン当初、生徒のほとんどは女性でした。最初は皆『ペアダンスは当然、男性と踊りたい』と思っていたはず。でも、リードのしかたを真剣に練習し始めてから、生徒たちは『本当の踊りの気持ち良さを知り、男女は関係ない。リードもフォローもできるから二倍楽しいね』『じょうずな人と踊るのも楽しいけれど、初めて踊る人の笑顔を見るのも嬉しい』といい始めたんです。踊りは、人種も男女も年齢も関係なく、音楽の楽しさを分かちあうもの。皆がそのことをわかってくれているので、とても良い環境ができつつあります」。

 

 もっと幅広い人にダンスを楽しんでほしいと願うあおちゃんには、さまざまなアイデアがあります。託児所つきのスタジオやクラブ、レッスン風景を眺めながらお茶を飲めるカフェ……。ダンスをリハビリや健康法に取り入れられないか、という思いもあります。そのせいか、生徒には不思議と医師や看護師さんが多いそうです。

 

 レッスンの最後には、ペアで一連のシークエンスを踊ります。ステレオから流れる音楽はジプシー・キングズ。哀愁を帯びた美しいメロディに乗って、生徒たちはゆったりと踊り始めます。互いに近づきながら両腕を高く上げていく動き。女性が男性に腕を絡ませ、男性の周りを一周しながら、まるでリボンのように、その腕をほどいていく動き……。柔らかな笑顔のあおちゃんに見守られて踊るみんなの表情を見ているだけで、身も心もほどけていく気がしました。

 

基本大切クラスには、初めての人には、あおちゃんが隣に行って優しく、丁寧にステップを指導。

 

「僕自身、普通の会社員でしたから、ダンスを始めるときの緊張はよく理解できます。だからこそ、誰もが入りやすい和やかなスタジオにしたい」とあおちゃん。

 

01年、ニューヨークで9.11のテロを経験したあおちゃんは、「ダンスを通して何かできないか」という思いから、チャリティ・パーティなども頻繁に行っています。


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